TO-house
周囲が畑で囲まれた旗竿形状の敷地で、外部からは建物が360度見廻せる立地環境に建つ住宅。 4面がファサードとなりうる外観デザインを意識しながら生活風景が外部に露出しないように、 正方形の平面ヴォリュームをもつ建物の4隅にヴォイド(中庭)をくり抜いた十字型の室内プランを構成し、 ランダムに穴が開けられたスクエアな黒い外皮で覆った。必要な開口部は、ヴォイドに面してのみ設けられて おり、採光、通風を確保しながら、この黒い外皮により外部からの視線を遮り、同時に必要な景色を切 り取っている。それぞれのヴォイドは、駐輪スペース、サービスヤード、テラス、庭といった、性質の異な る用途として位置づけられており、インテリアの延長としての視覚効果をもたらすことで、 空間に広がりと変化が生まれた。生活と周辺環境の関係に対する一つの特殊解がシンボリックな外観に 包まれた開放的な居住空間をつくりだした。