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[第53回 いしかわインテリアデザイン賞 2025]において大賞を受賞しました!

 

この度、toit-design+西和人一級建築士事務所で設計監理をさせて頂いたカフェ『 SAKURA TERRACE CAFE 』が[第53回 いしかわインテリアデザイン賞 2025]において最高賞の【大賞】を受賞しました!!!

これもひとえにクライアント様を始め、施工にご尽力頂きました建設会社様、並びに今回のプロジェクトに関わってくださった全ての方々のお陰と深く感謝しております。
これからも建築デザインを通して、地域社会の発展に貢献できるよう、日々精進して参りたいと思います。

なお、優秀作品については5/20(火)〜25(日)の期間、「しいのき迎賓館 1F しいのきプラザ」にて展示されます。
お近くにお越しの際は是非ご来場くださいませ!

[いしかわインテリアデザイン賞]
主催:石川県インテリアデザイン協会
http://i-ida.com/contents/designprize.html

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『 SAKURA TERRACE CAFE 』 Information

営業日:日〜木・祝/9時〜19時(all:L.O 18時半)
金・土/9時〜21時(food:L.O 20時)
※5月より変更予定
定休日:不定休(営業日カレンダーでお知らせ)
住所:石川県金沢市田上さくら3丁目72番地
TEL:076-204-9852
URL:https://sakuraterracecafe.com
Instagram:https://www.instagram.com/sakuraterrace_cafe

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◾️DATA

主要用途:飲食店
敷地面積:279.03㎡(84.24坪)
建築面積:118.44㎡(35.76坪)
延床面積:221.12㎡(66.76坪)
構造・規模:木造・2階建て

企画・運営:株式会社 エム・ビデオプロダクション
設計・監理:株式会社 トイットデザイン
株式会社 西和人一級建築士事務所
構造設計:高橋一級建築士事務所
設備設計:株式会社 山崎設備設計

施工:鈴木建設 株式会社
電気設備工事:有限会社 さかでん
給排水衛生・機械設備工事:ホクトー 株式会社
照明計画:コイズミ照明 株式会社 北陸営業部
厨房機器:ホシザキ北信越 株式会社

撮影:MARC AND PORTER/寺田征弘

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◾設計趣旨

金沢外環状道路の沿線エリアに立地する木造2階建てのカフェ。
市内で映像制作会社を経営する施主は、この建物を通して地域の方々が気軽に訪れることができる場の創造と、それに伴う自社ブランドの向上を望み、新たに飲食事業を立ち上げた。
建設地は商業施設が建ち並ぶ雑然とした街並みの一角に位置する。どこか表面的で乾いた周辺環境の中、建築自体が自然界に寄り添い力強く存在することで、この地にいきいきとした場とアクティビティーを生み出すことができないかと考えた。
本計画では建物を積極的に木造化し、内外部ともできる限り構造躯体から耐力部材に至るまで隠さず表した。木部以外は白とグレーのモノトーンの背景を用意し、樹木をデフォルメした木造の架構を際立たせることで、まるで森の中にいるかのような気持ちの良い居場所をつくった。また、外部からは温もりのある木質空間が視覚化できるようガラス張りとし、人工的な街の中に大きく枝幹を広げた大樹が立ち並んだようなイメージを持つ、存在感のある開かれたファサードを構成している。
この地の持つある種商業的に画一されたデザインコードから建築を脱却させ、自然環境から生成される存在の一部として読み替えていくことで、ここに訪れた人々がより自然体で緩やかな時間を過ごすことができるような場を創出した。
また、木材を積極的に活用していくことで「建築行為」自体が都市部での森林資源の新たな需要となり、「木の循環」の一部となる。木材の中には二酸化炭素のもととなる炭素が固定化されており、木造建築の中で木の姿をとどめているあいだは炭素貯蔵という点においても建築自体が第2の森林=都市の森であるとも考えられる。
このカフェでは地元野菜をふんだんに使ったフード、スイーツ、ドリンク類などのカフェメニューが楽しめる。見晴らしの良い2階には窓際カウンター席、ソファー席、個室・半個室、レクチャールームなど様々な客席が用意されており、飲食を伴うレンタルスペースとしても利用できる。また、企業が特化する映像制作技術の付加価値をサービスの一環とした、撮影スタジオを備えた動画編集教室も運営していく予定である。
施設を利用する人々をおおらかに包み込みながらも、この建物が次世代につながる建築のあり方、企業と社会、人と都市、そして自然との関わり方、その全てのつながりを考えるきっかけとなることを願っている。